6月もアンケート企画をやってみたいと思います。テーマは「受験生に『4択文法問題集』は必要?」です。
今回のテーマである4択文法問題集とは、「ヴィンテージ」や「ネクステージ」のような英文法・語法の分厚い問題集で、主に4択の選択問題が集められているものを対象とします。(正誤問題や整序問題など4択形式が主でないものや、書き込み式のドリルや、問題数が少なく解説がメインになっているものは除きます)
学校で配布されることも多い問題集ですが、受験生には不要という意見もあるようです。

4択文法問題集は【必要】派
英文法や語法を身につけるために4択の文法問題集は必要!
文法・語法・熟語などがまとまった整理本として効率よく学習できるし、読解や作文にも役立つ。
それにどうせ学校でやらされるんだったら受験にも活用した方がいいと思う!

4択文法問題集は【不要】派
もう共通テストでも文法問題は出ないし不要だと思う!
4択問題をいくらやっても答えを暗記するだけで終わると作文や読解に応用がきかない。
最近は文法問題集も4択ではなく並べ替えや穴埋めがメインの問題集も増えてるし、4択問題集は不要!
もちろんその受験生の学力や志望校によっても違うので一概には言えないとは思いますが、あくまで一般論として「4択文法問題集」の賛否を投票していただきたいと思います。
さて、あなたは「4択文法問題集」、必要だと思いますか? ぜひコメント欄でもご意見をひと言書き込んでください!
コメント
今の時代だからこそ文法の4択問題集はやっておくべきだと思います。理由は以下の通りです。
① どこまで行っても文法の理解度がベースになる。
そもそも読めるようになるためには語彙力と文法理論力は必要であり、文法理論力が高い人ほど言語学習で結果を残しやすい。確かに、「こんなのいつ使うの?」という細かな文法問題が出るが、それは次の項で説明する。読解の基礎力を固める上では4択問題は手軽に取り組める。ただし、答えを覚える作業と勘違いしやすいから、その地雷には気をつけて欲しい。
②論理的思考が身につく。
4択問題のほとんどは知識をベースにしているが、知識を身につけるためのベースは実は文法という論理的なルールの元で出来ている。思考力を高めるために、「他の選択肢が違う理由を考える」という学習がかなり効果的である。その時に知識が総動員させて考えるきっかけになるので、賢くなれる。
③手軽。
これも大きな理由。無の状態からでは誰も英作文から問題を解くことなんて出来るわけない。とっつきやすさ、手軽さ、敷居の低さは間違いなく4択問題集である。文法書→4択問題集という方法が効果的だが、4択問題集→文法書も実は効率的に身につけることができる。効率性か効果性をどっちかを選ぶかだが、多くの人は前者を選ぶ。そのためのファーストステップに4択問題集はやりやすいと考えている。
vintage、ネクステをはじめとする4択文法書の優れている点は、アウトプットを手軽に、何度も繰り返せるということ。
記憶を定着し、理解を確固たるものにするうえで、できる限り短い間隔で何度も復習することには大きな効果がある。4択問題集なら1つの問題を素早く解くことができ、結果的に高頻度の復習に寄与する。そして問題数の多さゆえ網羅性も高い。記述式の問題集ではこうはいかない。英文読解や英作文で応用できる、ぶれのない基礎を作ることができる。
不要です。これはトレンドの試験形式云々とは全く関係ありません。
①文法ルールでかなり行ける部分
ネクステ系で身につける内容ではない。汎用性の高い文法ルール部分は。ここに関してだけ言えば選択式にもそれなりの役立ちはあると思っているし、既に大半身につけている人には害にならないだけで、2割くらいしかない人が使うなら有害な面が強く出る。
②語法
ある程度は高2までに色んなところで身につける機会がある。いくつか共通の型みたいなものはあっても暗記なので、暗記するときに誤答候補は百害あって一利ない。VISIONQUESTInsightなるものが空欄補充型らしく、その方が望ましい。
③イディオム
これは②以上に手薄になりやすい。とりあえず網羅できるという意味ではここがいちばん存在意義があるかもしれない。しかし②と同様に、いや初見のイディオムはより多いと思われるので②以上に、「誤答候補は百害あって一利ない」。見慣れないからこそインプットが先。どれかな、と選ぶ意味は練習でも本番でも、ない。空欄補充か、頭文字だけ示して空欄補充がよい。
ネクステ系の中ではVINTAGEが問題の質や解説の質が格段にマシとは聞くものの、4択問題である限りにおいて教育効果は良くない。
不要。
必要である理由が1つもない。
学習効率も極めて悪い。
あなたは「英語」の勉強しているのか。
それとも「英語クイズ」の勉強をしているのか。
そもそもわかっていない者があまりに多いので、英文法の正しく効率的な学習方法を示します。
まず文法の参考書を読む。
入門レベルとしてよく挙げられる大岩の~だとか、「英文法の核」とか、最近出た「英文法ハンドブック」のようなものを読めばいい。総合英語みたいな分厚いものはいらない。
そしてナントカ500、540、700のような例文(構文)集を暗唱すればいい(個人的に700は暗唱用に作られていないので薦めない)。すべての例文を自分で解説できるようにしてください。文法書を読んだ後なら8~9割はできるはずです。残りはネットで調べるか教師に聞くかしてください。
こうして実際の英文を頭に残すことで、「英文法→英文」ではなく「英文→英文法」という思考回路を作ることができます。
これは私たちが普段日本語でやっていることです。
4択空所補充問題を解けるようになるために、わざわざ4択空所補充問題集をやる必要はありません。
上記の学習をすれば、日本語検定の文法問題に答えるときと同じ思考で英文法問題を解くことができます。試しに日本語検定HPでN2のサンプル問題でもやってみてください。
語彙(コロケーション)問題と熟語問題に関しても普段の単熟語学習で事足ります。
ちなみにDUO3.0という例文型で学習すれば効率的に学習できます。
簡単にまとめると、
・文法解説書 各々の読みやすいもの
・例文(構文)集 個人的なオススメは「大学生のための最重要英語構文540」
・単熟語帳 「DUO3.0」のようなコロケーションと表現が学習できるものがオススメ。
に取り組んでください。特に例文(構文)集の暗唱がポイントです。
英文法の正しい学習法を知らず、未だに4択文法問題集を利用し信望しているのは、現代日本のどこかの洞穴で生まれ育ち、現代の文明も文化も知らず、栄養失調の状態で「この生活は素晴らしい!人類みんなこのような生活をするべきだ」と主張し、現代文明を知らないまま生活を続けるのと同じです。
まずは知ってください。
その上で選択するのは自由です。
ただの「英語クイズ」ができる人になるための勉強を続けるのも自由です。
試験で4択文法問題が出題されるのは運営の都合です。
本来は全部英作文にしてしまえばいいのです。
ただし、それだと採点が大変な上に公平性の問題も出てきます。
そういう出題をすることの理由は一応はあるのです。
だからといってその形式で学習する理由にはなりません。
「四択クイズ」で英文法を学んだ者として、案外効率が悪かったというのが実感。
重箱の隅をつつくような問題は別として、基本5文型・修飾関係や英語の語順や仕組みを学ぶ上で「短文の和訳」や「並び替え」「例文の暗記」を通じて[しっかり英語を手で書く]作業をした後で「四択クイズ」や「正誤問題」に取り組んだ方がより定着できた、と思う。
「四択クイズ」が悪とは言わない。繰り返すが、基礎知識の無い状態で「四択クイズ」から(受験)英語に取り組むのは悪手だと言いたいのだ。