田上芳彦著『英文法用語の底力』（プレイス刊）
2015年3月20日発売 四六判228ページ
対象→英文法用語がわからなくて混乱する人 英文法用語の正しい使い方を知りたい英語指導者の方
英文法が苦手な理由→「英文法用語がわかってないから」かもしれない!?
最近、中学校の英語の授業では文法用語をあまり使わない……それどころか、英文法自体もあまり教えないようになっているそうです。
しかし、いざ大学入試の勉強を始めると、参考書や問題集には容赦なく文法用語がバシバシ出てきます。塾や予備校でも文法用語をくわしい説明がなく使ってくることもあります。
わからない用語が出てきたらその都度、文法書で調べればよいのですが、分厚い文法書で調べるのは面倒、読んでもよくわからない、という方も多いでしょう。
勉強が進んでいくと、さらに難しい用語が出てきて頭はパニック。
こうして文法嫌いの受験生がまた一人、誕生することに……。
そこでおすすめしたいのが、この田上芳彦著『英文法用語の底力』です。
例えば、こんなことを疑問に思ったことはあるでしょうか？
「疑問詞や関係詞は“品詞”じゃないの？」
「『○○にかかる』ってよくいうけど、かかるって何？」
「主語って話の主人公のこと？」
こうした疑問は、ちょっとしたことのように思えますが、実は英語を理解する上で非常に重要なものです。
もし間違ったまま覚えてしまうと、英文法が全然わからなくなってしまう。そんな危険性もあります。
『英文法用語の底力』はそんな誤解しがちな英文法用語を、明快に説明してくれる用語集なのです。
「田神様」の用語解説で英文法の疑問は解消！
『英文法用語の底力』はわずか200ページちょっとの「通読できる英文法用語集」です。
著者の田上芳彦師は駿台予備学校の講師。駿台では「田神様」と呼ばれており、予備校界でも有数の知識を持つと言われる超実力派です。
その「田神様」の豊富な指導経験から、受験生が誤解しやすい文法用語のポイントを鮮やかに解説。
名詞とは何か、五文型とは何か、関係詞とは……といった「今さら聞けない英文法用語の疑問」を基礎から解決してくれます。
しかも、“tough構文”などの耳慣れない文法用語や、学習参考書ではあまり触れられない発音や文字の用語までカバーされており、この1冊さえあれば分厚い文法書で調べなくてもたいていの疑問は解消できるように書かれています。
ただ、英文法を1から解説する本ではないので、初めて文法を勉強する人や英語が超苦手という人には向いていません。
英語を勉強する時には辞書と共に机の上に置いて、分からない文法用語が出てきたら調べるという使い方をすると良いでしょう。
英語を教える方にも読んでほしい一冊
文法用語は参考書によって微妙に使い方が違ったり、講師によっては独自説を押し出していることもあったりします。それがまた誤解を呼ぶこともあるというのが、文法用語の難しいところです。
でも、田上師の記述は非常に中立的で、さまざまな説に配慮しつつも、標準的な用語の解説をしています。このあたりは知識が豊富な田上師だからこそ書けた労作と言えるでしょう。
英語に自信がある人でも、文法用語を誤解していることや知らないままスルーしていることもあると思います。そんな中・上級者にとってもこの本は非常に役立ちます。
また、英語を教える立場の先生方も文法用語の定義を確認するのに使えますし、文法用語を使う時に誤解されがちなポイントを知ることができます。
英語学習者だけでなく、ぜひ先生方にも読んでいただきたい一冊です。
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