『<大学入試> 英単語 最前線2500』
最新の入試傾向の徹底分析で選び抜かれた2500語
石橋草侍、里中哲彦、島田浩史・著
2023年4月25日発売
B6判 並製 2色刷 音声DL 372ページ
2023年4月25日発売の新刊、『英単語最前線2500』の紹介をお届けします。
著者はいずれも河合塾の講師。
「英単語最前線」というタイトルの通り、「今」の入試に必要な英単語を選び抜いた単語集になっています。
レベルは非常に高く、一般的な単語集を仕上げた後に「2冊目の単語集」として使うべき単語集でしょう。
『英単語最前線2500』の構成は?
本書はPart1~7の7章で構成されています。
Part1 1義語(Basic Level424語、Standard Level145語)
Part2 1義語・語法あり 300語
Part3 2義語 210語
Part4 2義語・語法あり 210語
Part5 多義語 100語
Part6 ハイレベル単語・連語 1111語
Part7 頻出テーマの背景知識
Part1は1語を1義(一つの意味)で覚える単語をABC順にリストアップ。
英単語と意味、発音記号(カタカナ付き)が示されているだけなので、ここはサクサク覚えてほしいということでしょう。
単語のレベルは一般的な単語集でも後ろの方に載っているような難しめの単語が多いです。
Part2は語法に注意したい単語。
Part3は一つの意味だけでなく2義に注意すべき単語。
Part4は語法も狙われる2義語が集められています。
Part5は多義語。
なお、Part2~5は例文(またはフレーズ)も載っています。特に多義語は例文や(コロケーション)を活用して覚えるようになっています。
最新の入試に対応した英単語や背景知識
Part6はハイレベルな単語・連語が1111語。
epidemic(流行、伝染病)、paternalism(パターナリズム)、traceability(トレーサビリティ)、genetic engineering(遺伝子工学)、political correctness(政治的公正)などといった、長文読解のキーワードにもなりそうな単語・連語も掲載されています。
そしてPart7は頻出のテーマ30の解説。
「感染症」、「AIとロボット」、「ジェンダー」、「教育格差」など、現代社会を反映したテーマの背景知識を解説しています。
さらに「入試長文の内容はこれだ!」と題して、実際にどのような内容の長文が出題されたのかを解説。
テーマに関連する単語の一覧や、発展的なコラムもあります。
なお音声のダウンロードは無料です。
https://www.kenkyusha.co.jp/modules/10_podcast02/index.php?content_id=1
入試英語の「最前線」、現代の「最前線」を反映した単語集
本書は国公立二次試験、早慶上智、GMARCH、関関同立、私大医学部といった難関大学入試に特化した単語集です。
当然、ハイレベルな単語が多いため、『ターゲット1800』や『システム英単語』などの標準的なレベルの単語集を終えてからでないと難しいでしょう。
難関大志望だからといって、いきなりこの「最前線」に手を出すのは危険です。
最大の特徴は、最新の入試傾向から長文理解に必要な単語を選んでいること。
また、Part1~6では単語の解説を極力絞って、覚えるべき情報だけを載せようとしていることも特徴です。(いわゆる「ターゲット」型。図解や語源の解説などはないので、情報量の多さを期待するとがっかりすると思います)
上級者向け単語集としては『鉄壁』がありますが、どちらかというと『リンガメタリカ』のような背景知識を理解する単語集の系譜と言えるでしょう。
Part7で取り上げられているテーマは30とあまり多くはありませんが、2023年時点の最新の世界情勢を踏まえたものになっています。
特にここ数年は「新型コロナウィルス」や「AIの進化」などにより、世界は激動の時代を迎えているので、従来の単語集では対応できない部分もあります。
こうした最新のテーマが入試で出題された場合、背景知識がある方が圧倒的に有利です。
本書では各テーマを2ページほどで簡潔に解説していますが、今まさにホットな論争が行われているトピックにまで踏み込んでいるところが個人的には面白いと思いました。
入試英語の「最前線」であり、現代社会の「最前線」を映し出した待望の単語集と言えるのではないでしょうか。
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