「伝説の講師」によるインパクトが強すぎる解説~鬼塚幹彦『おとなのための読み直し英文法』

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鬼塚幹彦著『おとなのための 読み直し英文法』(研究社)
2012年10月23日発売 四六判 188ページ

こんな人におすすめ→英文法を一通り勉強したけど、苦手意識が残る人 「時制」と「冠詞」を根本から分かりたい人

苦手な人が多い「時制」と「冠詞」を徹底的に解説

英文法が苦手」という方は多いと思います。

しかし、カタコト英語のレベルを脱するには英文法の学習は必須です。

そんな英文法の中でも、日本人(日本語話者)が特に苦手なのが「時制」と「冠詞」。英文法の参考書を一通り読んだという人でも、なんとなくモヤモヤが残りがちです。

なぜかというと、どちらも日本語にはない要素を含んでいるので、直感的に理解するのが難しいんですね。

世の中に英文法の解説書はたくさんありますが、この本は「時制」と「冠詞」に絞って、徹底的に解説するという珍しい文法書なのです(「時制」には仮定法も含む)。

著者の鬼塚幹彦先生は、元代々木ゼミナール講師。個性派ぞろいの代ゼミ講師の中でも飛び抜けた個性と実力を持ち、インターネットの一部では「伝説の講師」の異名で知られています。

鬼塚節炸裂!活きた例文とインパクト強すぎの解説

この本の特徴のひとつが、説明に用いられる豊富な例文です。

ヘミングウェイの『老人と海』のような小説や、『ローマの休日』などの名作映画から例文が採用されています。

もちろん古い英文ばかりではなく、センター試験に出題された英文や、オバマ大統領の演説などの近年の英語からの引用も数多く使われています。

英文法の例文というと、どうしても文法事項の説明のために作ったような英文になりがちですが、この本では実際に使われている英語で学ぶことができます。受験英語の英文法を「活きた英文法」へと変えてくれる本とも言えるでしょう。

例えば、『白雪姫』の「鏡よ、鏡よ、鏡さん」という有名なセリフを使って「冠詞」の説明をしたりしてます。「鏡さん」はa mirrorではなく、呼びかけなので無冠詞のmirrorになるわけです。

このほかにも、「Eテレの『おかあさんといっしょ』のタイトルを英訳すると冠詞はつくのか?」「It’s a SONYのaはどういう意味なのか?」など、次々と興味深い切り口で解説していきます。

本書では、このように文法が「活きた例文」で説明されています。しかも、それが非常にインパクトが強くて頭に残りやすい

最近よく聞く、「みんなせーので指させるものにはtheをつける」などというわかったような気にさせるだけの説明はここにはありません。

「伝説の講師」鬼塚幹彦先生ならではの新しい英文法の視点を提供してくれる一冊です。

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