編集主幹 中邑光男・山岡憲史・柏野健次
大修館書店
2022年3月11日発売
「総合英語」はどれがいい?
「総合英語」というのは、高校で使用される分厚い英文法の参考書のことです。
学習参考書の出版社がどこも力を入れているジャンルで、現在は20種類以上の総合英語の参考書が発売されています。
総合英語には入試に必要な英文法の知識が網羅されていて、英語を勉強する時には常に手元に置いておきたい必須アイテムです。
でも、これだけたくさんあると、「総合英語はどれがいいのか?」という疑問を持たれると思います。
総合英語はどれを使っても大きな間違いはないのですが、「今使っている本が使いにくい」という人や、そもそも学校などで配布されていないという人もいるかもしれません。
そこで何か1冊というならば、『ジーニアス総合英語 第2版』を推します。
定評ある『ジーニアス英和辞典』の「総合英語」版
この『ジーニアス総合英語』の最大の特徴は、定評ある辞書『ジーニアス英和辞典』の参考書版であるということです。
編集主幹も『ジーニアス英和辞典』を手掛けた先生方であるというのも心強いところです。
『ジーニアス英和辞典』は「語法のジーニアス」と言われるぐらい語法の情報が充実しているのが特徴ですが、その例文や語法の情報を引き継いでいます。
著者が思い付きで書いたような「ぼくのかんがえたさいきょうの英文法」ではなく、信頼できる文法・語法の知識が載っています。
さらに、辞書ではさらっと書かれていることもくわしく説明されていて、参考書ならではのわかりやすさが両立しているという点で非常に優れた参考書と言えます。
かゆいところに手が届くコラム
この本は各章が「Introduction」「Basic」「Advance」という3段階の構成になっています。
「総合英語」の参考書ではよくある構成ですねw
「Introduction」は文法項目についての本質的なイメージが簡潔にまとまっています。苦手な人はここを読むだけでも英文法のイメージを固めることができると思います。
また、苦手な人は「Basic」だけを読んで、「Advance」は後回しにするという使い方もできるでしょう。
注目は学習者の細かい疑問に答えてくれるコラム。
例えば、マクドナルドのCMでおなじみのキャッチコピー i’m love’n it. についても、「強い感情を込めて使われる時」にはloveも進行形にできると書かれているなど、普通の文法書には書いてないこともしっかりフォローしています。
総合英語は細かい活字でびっしり情報が詰まったものもありますが、この本は分量も標準的で、基礎から発展までカバーされているのも使いやすいところです。
推しポイント→福崎伍郎先生の講義動画
そして、ここが一番の推しポイントなのですが、福崎伍郎先生の講義動画が視聴できるというところです。
「総合英語」の参考書はとにかく分厚いです。そして難しいことも書いてあります。読んでて眠くなりますw
そこで福崎先生の講義動画です。福崎先生はこの本の編集委員の一人で、駿台・河合塾・東進・代ゼミを渡り歩いた予備校界のレジェンド講師です。
講義動画付きの「総合英語」は他にもあるのですが、『ジーニアス』は
「予備校の講義と同じようにていねいに解説してくれる」
「講義動画で本の内容のほとんどをカバーしている」
「しかも講師が超一流のベテランで説明上手」
という点でかなり優れています。
つまり、この動画を全て見ればこの分厚い参考書を通読したも同然。
学校や予備校で英文法の授業がないという人にとっては、非常に心強い味方になってくれる一冊です。
余談ですが、編集主幹の先生方がいずれも関西の大学の先生だからか、例文には阪神タイガースがちょいちょい出てくるのも面白いところですw
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