対象→英語が苦手な受験生。英文解釈や英文和訳なんていらないと思っている人
使用時期→できるだけ早く
伊藤和夫師による、1989年発売の英文和訳の問題集です。最新の入試傾向とは無縁です。はっきり言って化石です。
でも、英語が苦手な受験生、特に「英文解釈や英文和訳なんていらない」と思っている方にぜひおすすめしたい本なのです。
『英文和訳演習 入門篇』ってどんな本?
英文和訳の問題が15題、掲載されています。英文を読んで、「下線部を訳せ」というだけの問題集です。
英文は易しく、長さも短めです。高校入試レベルと言っていいでしょう。
「英語が苦手」という自覚症状がある人でも、パッと見には簡単に思えるかもしれません。(そう、パッと見ただけではね……)
この本の特徴は、採点基準が非常に細かいことです。
ありがちな間違いが誤答例として示されていて、「こういう間違いをしたら○点減点」と明記されているので、添削をしてもらわなくても自分で採点ができるようになっています。
膨大な量の答案を見てきて、受験生の弱点を知り尽くしている伊藤和夫師ならではの問題集と言えるでしょう。
使い方は……?
使い方は、ただ15問の英文を読んで訳す。そして解説を読んで採点する。それだけです。
使用法の注意としては、頭の中で訳を作るのではなく、必ず紙に和訳を書いて添削することです。
なぜかというと、頭の中で何となく訳すだけでは、ごまかしができてしまうからなんですね。
紙に訳を書けば、自分の間違いや勘違いが、嫌でも記録に残ることになります。
それがとても大事なんです。
必ず、紙に訳を書きましょう。
そして、解説を読んで、赤ペン(色は緑でもオレンジでもいいですがw)で添削をします。
採点する時は自分に厳しく、わずかな間違いも×をつける方が良いでしょう。
できれば解説も熟読してほしいのですが、英語が苦手な人にとっては難しいと思います。解説の意味がわからないところはいったん飛ばしておきましょう。
1日3題解くとすれば、5日で終わります。がんばって1日5題解けば3日です。
「自分がいかにできないか」を思い知る
『入門篇』の長文はそんなに難しくはないので、意味を何となく理解するだけなら、それほど難しいことではないと思います。
でも、英文の構造をちゃんと読み取り、一語もおろそかにすることなく日本語に訳すとなると、これが意外と簡単ではありません。
『入門篇』を解いていると、簡単に思える問題でもボロッボロとミスが出てくるはずです。
そこに追い打ちをかけるのが、伊藤和夫師のコメントです。
「あまりに幼稚」「アタマが固い」「このように誤解していては,英語が読めるようになるはずがありません」・・・
かなりボロカスに言ってくれますw
ここまで言われれば、自分がいかに和訳ができないのかを思い知らされることでしょう。
そして、ちゃんと英文解釈や英文和訳の参考書で、英文の構造をつかむ勉強をしなければいけないという必要性を痛感するはずです。
そこで、以前の記事『「英文解釈」基本の定番参考書5選』でご紹介したような英文解釈の参考書で基礎を固めるのです(他の本でもいいですが)。
それからもう一度『入門篇』の問題を見てみると、「なんだ、こんな問題で悩んでいたのか」と自分の成長を実感できる、というわけです。
『入門篇』の最大の効用は、「簡単な英文すらうまく訳せないこと」を思い知ることなのかもしれません。
簡単な英文を訳せないのに、高度な長文読解や英作文、リスニングなんてとても無理ですよね。
一日も早く『入門篇』に手をつけて、自分の弱点を知りましょう!
コメント