【受験英語の神様】伊藤和夫参考書の世界

おすすめ参考書

「受験英語の神様」と呼ばれた伊藤和夫師

駿台予備学校の英語科主任講師であり、『英文解釈教室』『ビジュアル英文解釈』などの著書によって駿台だけでなく全国の受験生に支持されました。

その著書は、逝去後20年以上が経過した今でも輝きを失っていません。

しかし、膨大な著書からどの参考書を使えばいいのか。選び方や使い方が難しいというのも事実です。

そこで今回は「伊藤和夫入門」としてその著作の概略をご紹介したいと思います。

伊藤和夫参考書のまとめ

伊藤和夫師が書いた参考書の中から、現在販売されている主なものをまとめた画像です。

伊藤和夫師の著作は、2023年現在でも20冊以上が書店で売られています

ただ、そんなにたくさんの参考書が出ているのに、同じようなものが2冊とないのが伊藤和夫師の特長でもあります。

伊藤師がいかに計画的に参考書を生み出し続けていたのかがよくわかりますね。

さて、伊藤和夫師はなぜ「受験英語の神様」と呼ばれるようになったのでしょうか?

それが一番よくわかるのが、「英文解釈」の参考書です。

伊藤和夫師が登場する前は、英文解釈の参考書といえば公式と呼ばれる英語のパターンと訳し方を教えるものが主でした。

例えば、「as soon asは『~するや否や』と訳す」みたいな感じです。

それに対して、伊藤和夫師は「英語を返り読みせずに、左から右へ読む方法」を提示しました。

つまり、英語ができる人が無意識にやっている「英語を読む時のアタマの働かせ方」を言語化することに成功したのが伊藤和夫師なのです。

「文の最初に出てきた(前置詞が付いていない)名詞は主語と考える」
「文の最初に前置詞+名詞が出てきたら、それは主語ではないと考える」

こういったルールを駆使することで、英文の構造を見抜いていくというのが伊藤和夫式の英文解釈です。

今となっては多くの参考書でこの方法が採用されていて、当たり前のものになっている感もありますが、それだけ伊藤師の影響力が強かったことの証明でもあります。

伊藤和夫師の著作に現代的な意義があるとしたら、こうした英文解釈の参考書の数々ということになるでしょう。

英文解釈参考書

伊藤和夫師の最高傑作といえるのが『ビジュアル英文解釈』(駿台文庫)です。

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前述の「英語を読む時のアタマの働かせ方」を、高1レベルの英文に始まって東大レベルまでじっくり鍛えていきます。

解説は非常にていねいで、各章の最後に生徒との対話形式で疑問点を解消してくれるという構成になっています(この生徒との対話が時に喜劇っぽい展開になって面白い)。

『ルールとパターンの英文解釈』(研究社)は、ラジオ講座の原稿をもとにして作られた、伊藤師の講義を再現したような参考書です。

「ビジュアル」よりも分量が少なく、ていねいな講義が展開されるので、比較的読みやすくなっています。

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研究社
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『英文解釈教室 基礎篇』(研究社)は、伊藤師の晩年に書かれた「英文解釈教室」の基礎レベル版。

「高2レベルからセンター試験」となっていますが、センター試験の問題をちゃんと精読できるレベルを目指すので、「基礎」とはいえ簡単ではありません。

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『英文解釈教室 新装版』(研究社)は、伊藤和夫の名を一躍有名にした参考書で、ここから伊藤和夫伝説が始まったと言えます。

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当時の難関大受験生のマストアイテムでしたが、かなりの難しさで挫折する人も多かったとか。

晩年の伊藤師は、「ビジュアル」などの参考書を一通り終わらせてから、最後に英語構文の全体を見通すために使用することを薦めていました。

英語長文・英文和訳問題集

伊藤和夫師の名言に「英語はリクツが半分、慣れが半分」というのがあります。

英文解釈の参考書が終わったら、今度は長文を読み込んで「慣れる」段階に入ります。

『テーマ別英文読解教室』(研究社)は興味深いテーマの英文を集めたもので、「ビジュアル」などの参考書で学んだことを実戦的に鍛えます。

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『英語長文読解教室』(研究社)は『英文解釈教室』の続編的な著作で、難易度は高いですが、やはり入試問題から採用された質の高い長文が集められています。

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『英文和訳問題演習』(駿台文庫)は英文和訳の問題集で、とてもくわしい採点基準が付いているので、自分の訳のどこが悪かったのかを確認できます。

受験生を悩ませる「どこまで意訳していいのか?」という疑問も解消できるはずです。

入門・基礎・中級・上級の4部作となっていますが、英語が苦手な人は入門篇や基礎篇、「ビジュアル」などを終えた後なら中級篇・上級篇が良いでしょう。

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『英語要旨大意問題演習』(駿台文庫)は東大などの要約問題の対策ができる問題集で、東大実戦模試で何十万枚もの答案を採点してきた伊藤師ならではの隠れた名著です。

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英文法

伊藤和夫師は英文法でも多くの著作を残しています。

文法問題を解けるようになるだけでなく、英文解釈・和文英訳にも役立つ英文法の教え方を追求しているので、「ビジュアル」などの参考書と組み合わせることで相乗効果を発揮します。

『英文法のナビゲーター上・下』(研究社)も、伊藤師のラジオ講座から生まれた講義本です。

英文法問題を手掛かりに英文法の理論を習得するもので、リクツっぽいところはありますが読みやすい参考書です。

『英文法の集中治療室』(復刊ドットコム)英語が苦手な人向けに書かれた本で、超頻出問題に絞って英文法を解説しています。

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『英文法どっちがどっち』(復刊ドットコム)は、「単語の品詞がわかる本」というサブタイトルにもあるように、品詞の識別や英文法用語を理解するための本です。

英文法を学ぶ上でもっとも重要なことを学べる本で、英語が苦手な人が最初に取り組むべき内容になっています。

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駿台英語三種の神器

かつての駿台で「三種の神器」と呼ばれたのがこの3冊。

この3冊はかつて駿台の副教材として使用されていたもので、駿台のテキストとリンクしていました。

もちろん、伊藤和夫師の他の著作ともつながっており、組み合わせて使うことでより効果が高まります。

80~90年代の受験生の多くが暗記した(暗記させられた)英文集が「700選」です。

その「700選」の例文を伊藤和夫師の死後、時代に合わせて改訂したものが『新・基本英文700選』(駿台文庫)

英作文のための暗記例文として使われていましたが、例文の配列に伊藤和夫師ならではの体系性があり、英文解釈・和文英訳の基本文としての役割も強いものになっています。

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『新・英文法頻出問題演習』(駿台文庫)は「英頻」(または「文頻」)と呼ばれたかつての定番問題集です。

PART1は文法問題で、PART2は熟語。『英文法のナビゲーター』はこの問題集の項目をくわしい解説したような参考書なので、組み合わせることで効果が高まります。

『英語構文詳解 <新装版>』(駿台文庫)は伊藤和夫師のエッセンスが詰まった隠れた名著です。

整序問題(並び替え問題)を解くことで、英語構文や英文法の問題点を解説していくという独特な構成になっています。

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