国語便覧のような「英語便覧」がほしい。

コラム

今、国語便覧が話題になっているらしいです。

「国語便覧」異例の大ヒットに出版社「若干恐怖感じる」 SNS話題で注文殺到…… 受け止めを聞いた
第一学習社(広島市西区)が発行する資料集『カラー版新国語便覧』がSNSで反響を呼び、異例のヒットを記録しています。担当者も「若干の恐怖」を感じるほどの人気に至った背景について、同社に話を聞きました。第一学習社は、高等学校向けに9教科の検定教...

ゲーム『文豪とアルケミスト』やアニメ『文豪ストレイドッグス』などのメディアミックス作品が取り上げられていて、それらの作品のファンが買っているんですね。

第一学習社ではオンラインショップで販売を開始したものの、出荷するとすぐに売り切れてしまうという大ヒットだそうです。

でも、国語便覧はあっても「英語便覧」のような英語の資料集は使われていません。前からそういうのがあったらいいのになぁと思っていました。

そこで、こんな「英語便覧」があったら……という妄想を書いてみたいと思います。

こんな「英語便覧」がほしい

まず、「高校生がわからない、知りたいことを調べられる」ということ。そして「教科書や試験以外にも英語の世界は広がっていることがわかる」というのが「英語便覧」には必要なんじゃないかなと思います。

歴史篇

・英語史
・英語文学史
・代表的な作家 文学篇/評論篇

英語という言語や英語で書かれた文学の歴史。そして「便覧」の目玉の一つである代表的な作家の紹介(写真付き)。昔と違って現代は文学や評論も幅が広く、「代表的な作家」といっても難しいかもしれませんが、最低限知っておきたい作家は網羅してほしいですね。

文化篇

・英語圏の文化
・英語圏の社会習慣
・英語文学の名文

・海外旅行や留学のためのガイド

英語の文化を概観。かつての教科書ではイギリスやアメリカ文化の紹介が中心でしたが、現在ではグローバル化が進んで、英語を使う人々の文化を幅広く知る必要が出てきました。また、海外旅行や留学をする高校生も多いので、海外生活の手助けになるような情報も盛り込みたいです。

文法篇

・基礎文法まとめ
・重要構文

・文法用語解説

くわしい文法解説は「総合英語」の参考書があるので、コンパクトなまとめでいいのかなと。

論理・表現篇

・英作文の書き方(パラグラフライティングなど)
・英語レポートの書き方
・英語でプレゼンテーション
・メールの書き方
・英語新聞の読み方
・英語長文の重要テーマ
・トピック語一覧

現在の英語教育はコミュニケーションが重視されているので、表現についての章の充実が求められます。

資料篇

・発音とアクセント
・語源
・辞書の使い方

・リスニングの勉強法
・英語学習のツール
・重要な固有名詞

・英語の名言格言ことわざ
・英語のうた
・英語ジョーク

雑多になってしまいましたが、資料篇が充実していると調べものに便利で、大学生や社会人も使える「英語便覧」になるので充実させたいところです。

かつては「英語便覧」もあった

Twitterのリプでもいただいていたのですが、実はかつては「英語便覧」もあったのです。

例えば『新英語要覧 楽しく学ぶ英語の世界』(大修館書店)が1992年に出ていて、こういう英語の資料集のようなものはあったんですね。

さらにさかのぼると、大塚高信編『英語小百科事典』(垂水書房)のようなハンドブックは結構あったようです。

国立国会図書館デジタルコレクション

赤尾好夫著『英語の綜合的研究』(旺文社)のように、英文法を中心に、英語のさまざまな知識が書かれたものも広く使われていました。

国立国会図書館デジタルコレクション

また、Twitterではこういった本もあると教えていただきました。(ありがとうございます……!)

大井 光隆著『英語の教養―英米の文化と背景がわかるビジュアル英語博物誌』(ベレ出版)は比較的新しい本で、現在でも入手可能なようです。

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ベレ出版
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「英語便覧」とはちょっと違いますが、英作文のハンドブックとしては田上芳彦師の『トピック別 英文ライティングフレーズ集+』(プレイス)があります。これはかなりおすすめです。

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「英語便覧」の需要は確実にある!

「英語便覧」についてちょっと一言つぶやいたところ、びっくりするほど反響があってびっくりしています(めったにないバズりで語彙力が失われている)。

これだけ反響があるということは、現代版の「英語便覧」を出せばヒットするんじゃないでしょうか? 各出版社のみなさま、もしご覧になっていたらご検討をお願いします!

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